2015/08/06

開発者マティアス・カーステンズに訊く、Babyface Proの魅力


Babyface Proは、旧モデルであるBabyfaceに比べUSBバスからの給電がより安定しているとのことですが、なぜでしょうか?
Mattias Carstens(以下、MC): 旧Babyfaceではシンプルなライン・レギュレータを使用しており、それによりUSBからの電源供給を可能な限り効率的に使えるようにデザインしてあるのですが、USBポートにハブ等の周辺機器が接続されてしまうと場合によっては充分な電力を得ることができず、その場合には外部電源を接続する必要がありました。
Babyface Proは、USBバスから供給された電源を内部で再生成する特別な電源回路を搭載しており、これにより3.6Vまで電力が落ち込んだ場合でも、外部電源供給に頼らずすべての入出力を音質の劣化なく動作させることができるようにデザインされています。これは、ライブ収録などモバイルで録音を行う場合には非常に優れた機能ではないかと思います。


RMEと言えば、世界で初めてUSB3接続のオーディオ・インターフェイスをリリースした事でも有名ですが、なぜBabyface ProはUSB3ではなくUSB2.0接続なのでしょうか?


MC: USB3を使用するとレイテンシーが低減するように誤解されいてる方も多いと思いますが、実際はUSB3を採用したからといってレイテンシーは低減しません。一方で、もちろんUSB3はUSB2.0に比べてバンド幅が広いため、より多くのデータ、つまりより多くのチャンネルを同時に伝送することができるようになるということになります。RMEの場合、USB2.0で最大70チャンネルの伝送を行う事ができるのですが、Babyface Proは12チャンネルのインターフェイスですので、USB2.0でまったく問題なくデータの伝送が可能です。このように、USB3を採用することによりレイテンシーやパフォーマンスが向上することはないため、USB3を採用する利点は見出せませんでした。また、USB3を採用するとどうしても製造コストが上がってしまうという側面もあります。一体誰が本来必要のない機能にお金を払いたいでしょうか?
※弊社註:Thunderboltに関しても同様の理由が当てはまります。詳しくはスタッフ・ブログにて解説しておりますので、是非あわせてご参照ください。

Babyface Proには2系統のヘッドフォン・ポートがありますが、これについて教えて下さい。

MC: 特にレコーディング・セッション時には2系統のヘッドフォン端子が必要になることが多いとおもいますが、USBバス・パワーで動作するオーディオ・インターフェイスでヘッドフォンを2系統搭載することは、充分な電力を供給することが難しいという技術的側面もあり、実際にバス・パワーで動作するデバイスで2系統のヘッドフォン・ポートを搭載している製品は非常に少ないとおもいます。したがって、これまでは1系統のヘッドフォン・ポートを仕方なくYケーブルで分配したり、ヘッドフォン・ディストリビューターを別途購入したりされていたのではないでしょうか。
Babyface Proでは、この問題を2つの独立したヘッドフォン・アンプを搭載することにより解決しました。Babyface Proには、ハイとロー、それぞれ異なるインピーダンスを持つ、ミニ・ジャックと1/4インチの標準プラグに対応したソケットが搭載されています。1/4インチの標準プラグに対応したソケットの出力レベルは +13 dBUで、出力インピーダンスは10Ω。対して、ミニ・ジャックの出力レベルは +7 dBUで、出力インピーダンスは2Ωとなっており、ロー・インピーダンスのヘッドフォンに最適なレベルとインピーダンスを提供することが可能です。これにより、モバイル・デバイスなどで使用するイヤフォンや、インイヤー・モニターを使用した場合でも、周波数特性を崩すことなく正確なモニタリングを行うことができます。


Babyface Proの背面には、マイクスタンドにマウント可能なネジ穴がありますが、最適なマイクスタンドを教えて下さい。

MC: 3/8インチのマイクスタンドであれば、どのようなマイクスタンドでも使用できますが、特にKönig & Meyerの23250という卓上マイクスタンドがおすすめです。フラットボトムで安定性の高いスタンドで、より快適にBabyface Proを使うことができますし、デスクトップの省スペースにも最適だと思います。