2017/08/01

Fireface UFX II / UFX+ ARCでTotalMix FXを使いこなそう


RMEの2つのフラグシップ・オーディオ・インターフェイス「Fireface UFX II」「Fireface UFX+」
これらのインターフェイスのお値段はそのまま、「ARC USB」をセットにした「Fireface UFX II ARC」「Fireface UFX+ ARC」が登場いたしました!

「ARC USB」は、RMEオーディオ・インターフェイスの中核をなすTotalMix FXの使用頻度の高い操作やコマンドに直接アクセスできるTotalMix FX対応リモート・コントロールで、「Fireface UFX II」「Fireface UFX+」の作業環境をさらに便利で快適なものに拡張いたします!

それではさっそくARC USBを導入すると何が行えるのか確認していきましょう。
まずはデフォルト状態で何ができるのか見ていきましょう。

1. Volume & Dim

Main出力は本体のVOLUMEエンコーダーで、ヘッドフォン出力は2つのエンコーダー・ノブで行えますが、本体のところまで手が届かないといった場合はどうしていますか?

ARC USBを使えば、大きくて手に馴染むノブでMainのボリュームを、「VOLPH1/2」ボタンを押してからノブを回すとヘッドフォンのボリュームを調整する事が可能です。またDimはARC USBの最下段右側「DIM」ボタンに割り当てられています。


「Dim?」

Dim(ディム)とは、設定した一定の音量(デフォルトでは、-20dB)ボリュームを下げる機能です。作業中に突然電話がかかってきたり、音を流したままちょっと会話をしたり……
ボリュームの位置は変えたくないけど、ちょっとボリュームを小さくしたい、という場面は少なくありません。そんな時に便利な機能がDim。
フェーダーを触らずとも一瞬で音量を下げ、また必要に応じて元の音量に瞬時に戻せます。

Dimの設定は、TotalMix FXのメニューバーから[Option]>[Setting]>[General]にて行います。

2. Monitor Select

スタジオに常設されている大きなモニター・スピーカーでミックスを行い、必要に応じて一般的な視聴環境に近い小さなモニターで確認を行い、どのような視聴環境でも同じように聞こえるよう調整を行います。
その際モニター・スピーカーの切り替えにはモニター・セレクターが必要になるのですが、TotalMix FXには2系統のモニター・スピーカーを切り替える機能があり、ARC USBを使えば、ワンタッチでそれぞれのモニター・スピーカーを切り替えることができます。

一般的なモニター・セレクターは単体のハードウェアなので、導入には予算がかかりますし、インターフェイスとスピーカーの間に設置するため音質の変化が起きてしまいます。
TotalMix FXとARC USBのコンビネーションでは、そのような問題はまったく起こらず、インターフェイスのサウンドをそのままモニター・スピーカーに届けます。


モニタースピーカーのA/B切り替えを行うためには、事前にTotalMix FXでSpeaker Bを設定する必要があります。
設定は下記を参考にしてみてください。


3. Talkback


プロフェッショナルのレコーディング風景で、何より印象的なのがトークバック・システムという方も多いのではないでしょうか。スタジオからブースにいる人に直接指示を出せるTalkback機能は、もちろんTotalMix FXにも搭載されています。


このボタンをクリックすると、Phones 出力のすべての信号が、[Setting]ウィンドウで設定された量だけ抑制され、同時にコントロール・ルームのマイク信号([Setting]で定義されたソース)がPhonesへ送られます。マイクのレベルはチャンネルの入力フェーダーで調整します。

Talkbackの設定は、TotalMix FXのメニューバーから[Option]>[Setting]>[General]にて行います。




「Talkback?」

プロスタジオの象徴的なトークバック・システムを、宅録派がいかに使うか。
もちろん専用の録音ブースがあるに越したことはないですが、多くの方はベッドルームやお風呂場などを簡易録音ブースとして活用されています。
デリケートな生音の録音は、可能であればコンピューターのファンやエアコンなどの環境音を遮断した環境で行うことをオススメします!
その際に便利なのがTalkback機能。
ぜひ一度お試しください!

4. Snapshot

ボーカル録りのあとはギター録りのため、マイクを準備して、ミキサー・セッティングも変えて……なんてケース、よくありますよね?
TotalMix FXのSnapshot機能を使えば、ミキサー・セッティングを瞬時に切り替えてすぐにテスト録音に入ることができます。

ARC USBの上段にある8つのボタンから8つのSnapshotを瞬時に切り替えることができるので、ボーカル・レコーディング用のSnapshot、ギター・レコーディング用のSnapshot、ミックスダウン用、インターネット配信用、ハイレゾ音源再生用などなど、ご自身の使い方に合わせたTotalMix FXのSnapshotを瞬時に切り替え、ストレスのないセッティング変更が可能です。


5. ARC USB をカスタマイズ

このようにARC USBを使うと、TotalMix FXをさらに便利に、さらに快適にご利用いただけますが、ご自身の環境に合わせてカスタマイズすることで、もはや別次元の快適さを体感できます。
機能名が印刷されたステッカーが付属しているため、カスタマイズを行ったキーに貼っておけば、設定を忘れて戸惑うといったこともありません。
カスタマイズ方法はとてもシンプルです。

TotalMix FXのメニューバーから[Option]>[ARC & Key Command Settings]>[ARC USB]を選択してください。


表示された画面から各ボタンのカスタマイズが行えます。
またARC USBにはフットスイッチ接続用端子がありますので、お手持ちのフットスイッチを接続して機能を割り当てることもできます。

各ボタンに希望する機能を選択しましたら、その次にその右側にあるプルダウン・メニューから、ボタンの挙動を選択します。
ボタンの挙動は下記を参考にしてください。

Toggle(トグル):Toggleとは「同一の操作で二つの状態を交互に切り替える事」という意味になります。例えば、Speaker BをToggleに設定すると、Speaker A(Main)とBをボタンを1押しすることにより切り替えを行う事ができます。

Enable(イネーブル):Enable とは、「可能にすること」という意味となり、特定の機能をONにします。例えば、Speaker BをEnableに設定すると、Speaker BボタンをONにします。(連続で同じボタンをおしてもOFFにはできません。)

Disable(ディスエーブル):Disableとは、Enableの逆で「無効にすること」という意味となり、特定の機能をOFFにします。例えば、Speaker BをDisableに設定すると、ON状態のSpeaker BボタンをOFFにします。(連続で同じボタンをおしてもONにはできません。)

Push(プッシュ):Pushとは文字通り「押す」という意味になり、ボタンを押している間だけ、その機能がONになり、ボタンから指を離すとOFFになります。 例えば、TalkbackボタンをPushに設定すると、ボタンを押している間だけ、Talkbackが機能し、ボタンから指を離すと自動的にOFFになります。