2012/02/29

「アクティブ・スピーカーとBabyface − コンパクトでシンプルなPCオーディオ」

高音質の音楽を配信するe-onkyo musicから、Jazz/Funk/R&Bをベースとしたポップスを聴かせるユニットJiLL-Decoy associationの新作「Lovely e.p.」のDirect Mixバージョン3曲が、DSD 1bit/2.8MHzとPCM 24 bit / 96kHzのフォーマットで独占リリースされました。スタジオ・ライブ録音ならではの空気感や息づかいを、色付けの一切ない高解像度/高音質で再現することをコンセプトに録音されています。
e-onkyo musicウェブサイト:http://music.e-onkyo.com/artist/m120208_S.asp
「JiLL-Decoy association ハイレゾ配信(「Lovely e.p.」の試聴音源あり)」
「ビギナーのためのHDサウンドの楽しみ方」

上記のページではこの作品を楽しむための「コンパクト」なPCオーディオ・セットアップ例として「RME Babyface」が紹介されています。コンパクトなPCオーディア・セットアップ例とは、Babyfaceをプリアンプではなく、直接アクティブ・スピーカー(パワード・スピーカー)に接続する方法です。BabyfaceはコンパクトでUSBバスパワーで動作し、操作性の優れたボリューム・ノブを搭載しますので、Babyfaceの特長を活かしたひとつのシンプルなセットアップ例と言えます。
アクティブ・スピーカーは、通常のスピーカーと違い、スピーカーの中にアンプと電源が内蔵されているので、プリアンプを必要としないシンプルで柔軟なシステムが組めるのが特長です。レコーディング・スタジオやホーム・スタジオ、またライブ会場のPAの現場等で広く使われていますが、最近ではコンピューターに直接接続して音楽やビデオを楽しむマルチメディア・スピーカーとしても普及し始めています。

以下は各社のアクティブ・スピーカーの一例です:
アクティブ・スピーカーとBabyfaceを接続する場合は、Babyfaceのメイン出力からスピーカーに直接ケーブルで接続します。Babyface本体のボリューム・ノブを使用すれば、メイン・ボリュームを調整したり、ボリューム・ノブの「ディム」機能を使ってボリュームを瞬時に下げたり、出力をヘッドフォンやスピーカーと切替えたりと、非常に便利に使用できます。

また、Babyfaceの背面にはオプティカル入力端子がありますので、CDプレイヤー等のオプティカルSPDIF出力を搭載する機器をオプティカル・ケーブルで直接接続することもできます。

さらに、Babyfaceのヘッドフォン出力はライン出力としても利用できるため、必要なケーブルを用意すれば、4本のスピーカーを使った4チャンネル・サラウンド・システムも可能です。BabyfaceTotalMixミキサーを使えば、5.1チャンネルの音源を4チャンネルに変換しての再生も簡単に行えます。

ご参考までに、過去に5.1ch > 4ch ダウン・ミックスの方法をご紹介した記事をどうぞ。

このように信頼性のある確かな音質を、シンプルで自由度の高いセットアップで実現できるのもBabyfaceの大きな魅力の一つです。

2012/02/21

TotalMix FX on iPad 設定編

今回は前回ご紹介したOSCでコントロールするための設定をご紹介します。
iPadで使えるOSC対応Appは多数リリースされていますが、ここではTouchOSC(App Storeで450円で販売中)を例にご紹介します。
TouchOSCはコンピューター上のエディターでオブジェクトを自由に配置して、それぞれのオブジェクトにOSCのコントロール情報を割り当てて、オリジナルのテンプレートを作成する事が可能です。TotalMix FX 0.970 Beta3をRMEのフォーラムからダウンロードすると、ZIPフォルダ内に一緒にTouchOSCのToalMix FXテンプレート(名称:TotalmixPad1)が含まれておりますので、今回はこのテンプレートをそのまま使う事にします。

1:iPadとコンピューターを同一のWi-Fiネットワーク下に設定。
2:TouchOSCを起動し、コンピューターとiPadの接続を確立させる。
3:コンピューター上でTouchOSC Editorを起動し、“TotalmixPad1”を開く。
4:TouchOSCのLayoutからAddを選択し、“TotalmixPad1”を追加(コンピュータとiPadを同期させてダウンロード)する。
5:TotalMix FX 0.970 Beta3を起動。
6:Optionsメニュー > Enable OSC Controlにチェックを入れOSC機能を有効にする。
7:Optionsメニュー > Settings...を開く(またはキーボードのF3キー)。
8:OSCのタブを開き、Found Remote Servicesの枠内にTouchOSCが起動したiPadの名前が見えているかを確認し、iPadの名前をクリックして選択したらOKボタンで画面を閉じます。その他のポートの番号などはデフォルトのままでOKです。以上で設定は完了です。
(※上記のTouchOSCの操作方法が不明な際は、TouchOSCのマニュアルをご確認下さい)

Settings画面
TotalmixPad1テンプレートでは、TotalMix FX内のすべての機能をコントロールできるようにデザインされています。

ミキサー画面
ミキサー画面では「ハードウェア入力」「ソフトウェア再生」「ハードウェア出力」のそれぞれを独立させてコントロールが可能です。ソロ、ミュート、パンニング、一時的なフェーダー・グループの作成も可能で、画面右側には「コントロール・ルーム」の操作パネルも備えています。

チャンネル・ストリップ画面
チャンネル・ストリップ画面では各チャンネルの機能を詳細にコントロールが可能です。ファンタム電源のON/OFF、マイクのゲイン、EQとダイナミクスなどを個別にコントロールする事ができます。

リバーブ/エコー/コントロール
リバーブ/エコー/コントロール画面ではリバーブとエコーの空間系FX、スナップショットの選択、ミュート、ソロ、フェーダー・グループの作成が可能です。

さらにはTotalMix FX上の情報(チャンネル・ネーム、ボリュームの値など)もリアルタイムに相互通信が可能なので、iPadの画面だけを見てても正確な値を把握する事ができます。
この画期的な機能を使えば、コンピュータと離れた場所でもTotalMix FXの調整が可能になるので、例えばレコーディング・ブース内からもマイクのゲイン設定を変更する事が可能です。しかもWi-Fi接続なのでケーブルを這わせる必要もありません。
今回使用したテンプレート「TotalmixPad1」は8チャンネル仕様でレイアウトが施されておりますが、このテンプレートを元にTouchOSC Editorで好みのレイアウトにカスタマイズを施したりと自由にお楽しみ下さい。


【ご注意!!】
TotalMix FX 0.970 Beta3は正式リリース前のベータ・テスト版です。この記事を元にお使い頂く際は自己責任でお願い致します。また、弊社ではTotalMix FX 0.970 Beta3およびTouchOSCに関するサポートは一切行いません。また使用中の不都合に関しても責任を負いませんので、予めご了承のうえでお試し下さい。

2012/02/09

TotalMix FX on iPad

現在、RMEフォーラムにて公開中のTotalMix FX 0.970 Beta3では、(個人的に)待望の「OSC」に対応しました。
OSCとは・・・「OpenSound Control(OSC)とは、電子楽器(特にシンセサイザー)やコンピュータなどの機器において音楽演奏データをネットワーク経由でリアルタイムに共有するための通信プロトコルである。カリフォルニア大学バークレー校にある CNMAT(The Center for New Music and Audio Technologies)が開発した。」(wikipediaより)
OSCがどんな物かと申しますとMIDIの代替となる新しい規格で、楽器やコントローラー等のマルチメディア・デバイスが共通のネットワークを経由しての通信が可能です。従って、イーサネット・ハブを経由しての複数台同時通信なども可能、ブロードバンドを使用するので通信は高速かつ大容量、従来のMIDIよりもリアルタイム性が高い利用が可能です。
私は以前からOSCの利便性に惹かれて愛用しており、iPhoneにインストールしたOSC対応AppでDAW等の音楽ソフトウェアをコントロールして使っておりました。
ここまでで既にお察しかと思いますが、OSCに対応した事でTotalMix FXをiPhone/iPad(その他OSC対応機器)からコントロールすることができます。それも全てのパラメーターがコントロール可能です。
TotalMix FXは、強力なハードウェア・ミキシング / ルーティング機能を備えたデジタル・ミキサーであり、現存するデジタル・コンソールをも凌ぐ性能を持っています。実際に30 IN / 30 OUTもの膨大なチャンネル数を誇るFireface UFXは、国内外でライブや演劇の現場でデジタル・ミキサーとして運用されています。
OSCに対応した事で、iPadで離れた場所からのリモート・コントロール、ミキシング等が行えるので身軽に様々なシーンで便利にお使い頂けます。RMEのオーディオ・インターフェイスを使用したUstream配信時のコントローラーとしても最高ではないでしょうか。
近日中にテストしたレポートと、簡単な導入方法と使い方をこのブログでアップします。どうぞお楽しみに!!
【ご注意!!】
TotalMix FX 0.970 Beta3は正式リリース前のベータ・テスト版です。お使い頂く際は自己責任においてお願い致します。弊社では一切のサポートを行いません。また使用中の不都合に関しても責任を負いません。