RMEのリファレンス・クラス AD/DAコンバーターであるADI-2 Proは、一見すると2入力/2出力のステレオDACに見えますが、実は6入力/8出力ある高機能なマルチチャンネル・インターフェイスです。そのため、すべての入出力を正しく動作させるためにデジタル機器のクロックを柔軟に設定できるように設計されています。
一方で「USBでコンピューターと接続して、デジタル入力にはCDプレイヤーを接続して、両方を切り替えて再生したい」という単純な操作は、その柔軟さ故に設定が分かり難い場合がありました。「民生機のように手軽に入力を切り替えたい!」というユーザーの声を反映してファームウェア・アップデートにより搭載されたのが「DACモード」です。
背面のSPDIF入力(光または同軸ケーブル)に CDプレイヤー等のデジタル機器を接続 |
ADI-2 ProのDACモード |
ADI-2 ProのAD/DA、デジタル入出力、FPGA、DSPインターフェイスはすべて同じクロックで同期しています。そのため例えばUSB端子に接続されたコンピューターで192kHzの音源を再生した後、SPDIF入力に接続されたCDプレイヤーの44.1kHzの音源を再生すると、192kHzと44.1kHzの2種類のクロックが混在してしまいトラブルに繋がることがありました。
新しく搭載されたDACモードでは、USB(コンピューター)とSPDIF(CDプレイヤー)のクロックを切り離し、192kHz音源の再生中にCDプレイヤーからの44.1kHzのクロックが入力されても、それぞれのSync状態を保持して互いに干渉せずに再生できるようになります。
DACモードはADI-2 Proをシンプルなステレオ再生DACとして使用するのに最適なモードです。是非一度試してみてください!
設定方法
■ ADI-2 ProをDACモードにするには、SETUPボタン > Optionページ > Device Mode > Basic Modeで「DAC」を選択します*。■ コンピューター(USB)とCDプレイヤー(SPDIF)の入力切替は、I/Oボタン > Main Output 1/2 > AD/DA Sourceで選択して切り替えます。
※ Autoを選択するとSPDIFが優先的に接続されます。
*DACモードを使用する際は本体を最新のファームウェア(Windows / Mac)でお使いください。
※ その他、ADI-2 Proの操作や設定方法について以下のページに掲載しています。合わせてご覧ください。