2018/09/13

ADI-2 Proの便利な「DAC」モードとは?

RMEのリファレンス・クラス AD/DAコンバーターであるADI-2 Proは、一見すると2入力/2出力のステレオDACに見えますが、実は6入力/8出力ある高機能なマルチチャンネル・インターフェイスです。そのため、すべての入出力を正しく動作させるためにデジタル機器のクロックを柔軟に設定できるように設計されています。
一方で「USBでコンピューターと接続して、デジタル入力にはCDプレイヤーを接続して、両方を切り替えて再生したい」という単純な操作は、その柔軟さ故に設定が分かり難い場合がありました。「民生機のように手軽に入力を切り替えたい!」というユーザーの声を反映してファームウェア・アップデートにより搭載されたのが「DACモード」です。




背面のSPDIF入力(光または同軸ケーブル)に
CDプレイヤー等のデジタル機器を接続

ADI-2 ProのDACモード
ADI-2 ProのAD/DA、デジタル入出力、FPGA、DSPインターフェイスはすべて同じクロックで同期しています。そのため例えばUSB端子に接続されたコンピューターで192kHzの音源を再生した後、SPDIF入力に接続されたCDプレイヤーの44.1kHzの音源を再生すると、192kHzと44.1kHzの2種類のクロックが混在してしまいトラブルに繋がることがありました。
新しく搭載されたDACモードでは、USB(コンピューター)とSPDIF(CDプレイヤー)のクロックを切り離し、192kHz音源の再生中にCDプレイヤーからの44.1kHzのクロックが入力されても、それぞれのSync状態を保持して互いに干渉せずに再生できるようになります。
DACモードはADI-2 Proをシンプルなステレオ再生DACとして使用するのに最適なモードです。是非一度試してみてください!

設定方法

■ ADI-2 ProをDACモードにするには、SETUPボタン > Optionページ > Device Mode > Basic Modeで「DAC」を選択します*。


■ コンピューター(USB)とCDプレイヤー(SPDIF)の入力切替は、I/Oボタン > Main Output 1/2 > AD/DA Sourceで選択して切り替えます。
※ Autoを選択するとSPDIFが優先的に接続されます。


*DACモードを使用する際は本体を最新のファームウェア(Windows / Mac)でお使いください。

※ その他、ADI-2 Proの操作や設定方法について以下のページに掲載しています。合わせてご覧ください。

※ 「DACモード」やADI-2 Proの開発経緯について「開発者マティアス・カーステンズに訊くADI-2 DAC」のインタビューでも触れています。是非ご覧ください。






2017/08/01

Fireface UFX II / UFX+ ARCでTotalMix FXを使いこなそう


RMEの2つのフラグシップ・オーディオ・インターフェイス「Fireface UFX II」「Fireface UFX+」
これらのインターフェイスのお値段はそのまま、「ARC USB」をセットにした「Fireface UFX II ARC」「Fireface UFX+ ARC」が登場いたしました!

「ARC USB」は、RMEオーディオ・インターフェイスの中核をなすTotalMix FXの使用頻度の高い操作やコマンドに直接アクセスできるTotalMix FX対応リモート・コントロールで、「Fireface UFX II」「Fireface UFX+」の作業環境をさらに便利で快適なものに拡張いたします!

それではさっそくARC USBを導入すると何が行えるのか確認していきましょう。
まずはデフォルト状態で何ができるのか見ていきましょう。

1. Volume & Dim

Main出力は本体のVOLUMEエンコーダーで、ヘッドフォン出力は2つのエンコーダー・ノブで行えますが、本体のところまで手が届かないといった場合はどうしていますか?

ARC USBを使えば、大きくて手に馴染むノブでMainのボリュームを、「VOLPH1/2」ボタンを押してからノブを回すとヘッドフォンのボリュームを調整する事が可能です。またDimはARC USBの最下段右側「DIM」ボタンに割り当てられています。


「Dim?」

Dim(ディム)とは、設定した一定の音量(デフォルトでは、-20dB)ボリュームを下げる機能です。作業中に突然電話がかかってきたり、音を流したままちょっと会話をしたり……
ボリュームの位置は変えたくないけど、ちょっとボリュームを小さくしたい、という場面は少なくありません。そんな時に便利な機能がDim。
フェーダーを触らずとも一瞬で音量を下げ、また必要に応じて元の音量に瞬時に戻せます。

Dimの設定は、TotalMix FXのメニューバーから[Option]>[Setting]>[General]にて行います。

2. Monitor Select

スタジオに常設されている大きなモニター・スピーカーでミックスを行い、必要に応じて一般的な視聴環境に近い小さなモニターで確認を行い、どのような視聴環境でも同じように聞こえるよう調整を行います。
その際モニター・スピーカーの切り替えにはモニター・セレクターが必要になるのですが、TotalMix FXには2系統のモニター・スピーカーを切り替える機能があり、ARC USBを使えば、ワンタッチでそれぞれのモニター・スピーカーを切り替えることができます。

一般的なモニター・セレクターは単体のハードウェアなので、導入には予算がかかりますし、インターフェイスとスピーカーの間に設置するため音質の変化が起きてしまいます。
TotalMix FXとARC USBのコンビネーションでは、そのような問題はまったく起こらず、インターフェイスのサウンドをそのままモニター・スピーカーに届けます。


モニタースピーカーのA/B切り替えを行うためには、事前にTotalMix FXでSpeaker Bを設定する必要があります。
設定は下記を参考にしてみてください。


3. Talkback


プロフェッショナルのレコーディング風景で、何より印象的なのがトークバック・システムという方も多いのではないでしょうか。スタジオからブースにいる人に直接指示を出せるTalkback機能は、もちろんTotalMix FXにも搭載されています。


このボタンをクリックすると、Phones 出力のすべての信号が、[Setting]ウィンドウで設定された量だけ抑制され、同時にコントロール・ルームのマイク信号([Setting]で定義されたソース)がPhonesへ送られます。マイクのレベルはチャンネルの入力フェーダーで調整します。

Talkbackの設定は、TotalMix FXのメニューバーから[Option]>[Setting]>[General]にて行います。




「Talkback?」

プロスタジオの象徴的なトークバック・システムを、宅録派がいかに使うか。
もちろん専用の録音ブースがあるに越したことはないですが、多くの方はベッドルームやお風呂場などを簡易録音ブースとして活用されています。
デリケートな生音の録音は、可能であればコンピューターのファンやエアコンなどの環境音を遮断した環境で行うことをオススメします!
その際に便利なのがTalkback機能。
ぜひ一度お試しください!

4. Snapshot

ボーカル録りのあとはギター録りのため、マイクを準備して、ミキサー・セッティングも変えて……なんてケース、よくありますよね?
TotalMix FXのSnapshot機能を使えば、ミキサー・セッティングを瞬時に切り替えてすぐにテスト録音に入ることができます。

ARC USBの上段にある8つのボタンから8つのSnapshotを瞬時に切り替えることができるので、ボーカル・レコーディング用のSnapshot、ギター・レコーディング用のSnapshot、ミックスダウン用、インターネット配信用、ハイレゾ音源再生用などなど、ご自身の使い方に合わせたTotalMix FXのSnapshotを瞬時に切り替え、ストレスのないセッティング変更が可能です。


5. ARC USB をカスタマイズ

このようにARC USBを使うと、TotalMix FXをさらに便利に、さらに快適にご利用いただけますが、ご自身の環境に合わせてカスタマイズすることで、もはや別次元の快適さを体感できます。
機能名が印刷されたステッカーが付属しているため、カスタマイズを行ったキーに貼っておけば、設定を忘れて戸惑うといったこともありません。
カスタマイズ方法はとてもシンプルです。

TotalMix FXのメニューバーから[Option]>[ARC & Key Command Settings]>[ARC USB]を選択してください。


表示された画面から各ボタンのカスタマイズが行えます。
またARC USBにはフットスイッチ接続用端子がありますので、お手持ちのフットスイッチを接続して機能を割り当てることもできます。

各ボタンに希望する機能を選択しましたら、その次にその右側にあるプルダウン・メニューから、ボタンの挙動を選択します。
ボタンの挙動は下記を参考にしてください。

Toggle(トグル):Toggleとは「同一の操作で二つの状態を交互に切り替える事」という意味になります。例えば、Speaker BをToggleに設定すると、Speaker A(Main)とBをボタンを1押しすることにより切り替えを行う事ができます。

Enable(イネーブル):Enable とは、「可能にすること」という意味となり、特定の機能をONにします。例えば、Speaker BをEnableに設定すると、Speaker BボタンをONにします。(連続で同じボタンをおしてもOFFにはできません。)

Disable(ディスエーブル):Disableとは、Enableの逆で「無効にすること」という意味となり、特定の機能をOFFにします。例えば、Speaker BをDisableに設定すると、ON状態のSpeaker BボタンをOFFにします。(連続で同じボタンをおしてもONにはできません。)

Push(プッシュ):Pushとは文字通り「押す」という意味になり、ボタンを押している間だけ、その機能がONになり、ボタンから指を離すとOFFになります。 例えば、TalkbackボタンをPushに設定すると、ボタンを押している間だけ、Talkbackが機能し、ボタンから指を離すと自動的にOFFになります。

2017/04/11

Babyface ProとAudirvana Plusでお手軽ハイレゾ・オーディオ・リスニング

 このエントリーではRMEのオーディオ・インターフェイスではもっともコンパクトな「Babyface Pro」と、Mac用ハイレゾ再生ソフトの定番「Audirvana Plus」を使って、「お手軽にハイレゾ・オーディオ・リスニングを楽しもう!」をコンセプトに、ドライバーのインストールからソフトの設定まで、ステップ・バイ・ステップの簡単操作マニュアルをご紹介いたします。

「Babyface Pro」以外のオーディオ・インターフェイスをお使いでも、操作方法や設定方法はほとんど同じなので、是非、Macでのハイレゾ・オーディオ・リスニングのご参考にしてみてください。

Babyface Proのセットアップ


※インストールの際にMacの再起動が必要になります。作業中のファイルなどは事前に保存を行ってください。

  1. https://synthax.jp/support.html にアクセスし、「ダウンロードはこちら」をクリックします。

  2. 左側のメニューから「USB」→「Fireface / Babyface Mac」をクリックします。


  3. 右側の「ダウンロード」をクリックし、ダウンロードを開始します。 
  4. ダウンロードが完了したらウインドウ左下の「driver_usb_mac_301.zip」をクリックします。

  5. zipファイルが解凍され「Fireface USB Driver v3.01」というフォルダができるので、中にある「Fifeface USB.pkg」をダブルクリックします。

  6. 「Fireface USB Driverのインストール」画面で「続ける」をクリックします。

  7. インストール先のディスクを選択して「続ける」をクリックします。(通常は初期設定のまま「続ける」で問題ありません)

  8. インストール先のフォルダを選択して「インストール」をクリックします。(通常は初期設定のまま「インストール」で問題ありません)

  9. インストールの際にMacのパスワードを聞かれた場合は、パスワードを入力して「ソフトウェアをインストール」をクリックします。

  10. インストールの際にMacの再起動が必要になります。問題がなければ「インストールを続ける」をクリックします。

  11. インストールが完了したら「再起動」をクリックします。

MacとBabyface Proの接続

  1. Macの再起動が完了したら、Babyface Proに付属するUSBケーブルでMacとBabyface Proを接続します。

  2. 接続が行われると自動的に「TotalMix FX」と「Fireface USB Settings」が起動します「TotalMix FX」「Fireface USB Settings」ともにデフォルトのままご使用いただけます。

  3. Macの「環境設定」を開きます。

  4. 「環境設定」の中から「サウンド」をクリックします。

  5. 「サウンド」の中の「出力」から「Babyface Pro」を選択します。(製品名の後の数字はシリアルナンバーに紐づくため、環境により異なります)

Audirvana Plus 3のインストール

  1. https://audirvana.com/ にアクセスし、サイト上部の「Try Now」をクリックします。

  2. サイト下部の「I fully agree with the above terms」をクリックして、アプリケーションのダウンロードを開始します。

  3. アプリケーションのダウンロードが終了したら、ウインドウ左下の「AudirvanaPlus_3.0.3.dmg」をクリックします。

  4. 「agree」をクリックします。

  5. 画面内の指示に従い「Audirvana Plus」を「アプリケーション」フォルダにコピーします(「Audirvana Plus」のアイコンを「Applications」フォルダにドラッグ&ドロップします)

  6. 「アプリケーション」フォルダにコピーした「Audirvana Plus」をダブルクリックします。

  7. 確認のダイアログが表示されるので「開く」をクリックします。

  8. ライセンスについての確認ダイアログが表示されるので、ここでは「Request Trial」を選択します。(ライセンスをすぐ購入する場合は「Buy Now」を選択します)

  9. トライアルでのご利用は15日間限定です。継続的にご利用いただく場合はソフトウェアの購入が必要です。

Audirvana Plusへオーディオファイルを取り込む

  1. 「Audirvana Plus」を起動するとオーディオデバイス選択画面が表示されます。プルダウンメニューから「Babyface Pro」を選択し「Next」をクリックします。

  2. オーディオファイルのインポート画面が表示されるので「+」をクリックします。

  3. オーディオファイルを納めているフォルダー(画面の例では「ピアソラ」)を選択し「Open」をクリックします。

  4. 選択されたフォルダーがインポート画面に表示されますので、問題がなければ「Next」をクリックします。

  5. ストリーミングサービスの選択画面が表示されますが、日本では使用できないため何も入力せずに「Next」をクリックします。

  6. セットアップ終了の画面が表示されますので「Close」をクリックします。

  7. Audirvana Plusのメイン画面が表示されます。

Audirvana Plusの詳細な設定

  1. 「Audirvana Plus」メニューから「Preferences...」を選択します。

  2. 「Audio System」パネルを選択し、「Low level playback options」は「Direct mode」以外を「on」にします。「Direct mode」を「on」に設定するとオーディオファイルを読み込むことができなくなります。(再生時にエラーが表示されますので、その場合、DirectModeをOFFにしてAudirvanaを再起動してください。)

  3. 「Maximum Memory allocated for tracks pre-load」の項目ですが、PCに搭載されているRAMに対してどの位のメモリ領域をオーディオのPre-load(つまりバッファ)に当てるかというスライダーになります。当然できるだけオーディオのPre-loadに割り当てたいのですが、反面、残りの領域でその他の処理を行うことになるので、その部分の処理がオーバーフローしてしまうと、それに引っ張られてAudirvanaも音飛びやノイズなどを出すようになります。環境に応じてベストなスライダー位置を見つけるようにしてください。

  4. 「Audio Filters」パネルでは「iZotope 64-bit SRC」でQuality「Best」を選択します。

  5. 「Audio Volume」パネルは再生音量をソフト側でやるか、DAC側でやるか選択できます。ここでは「DAC only」を選択しています。その際の音量調整はBabyface Proの「OUT」を選択し、ジョグダイアルから調整可能です。

  6. 「AudioUnits」パネルからエフェクトを選ぶことができます。プルダウンメニューからエフェクトを選択後、「Configure」から詳細に設定を行うことができます。

  7. 「SysOptimizer」パネルから、どの程度オーディオ再生にシステムを最適化するか選択できます。ここでは最大の「Extreme」を選択し、検索機能(Spotlight)やバックアップ機能(Timemachine)、他のUSB機器の使用もOFFにしています。また「Extreme」に変更した際、最初の再生時に「SysOptimizer」のインストールを求められますので「install」を行ってください。

  8. メニューの「iTunes Integrated Mode」を選択するとiTunesとAudirvana Plusを連携させることができます。「iTunes Integrated Mode」ではDockのAudirvana PlusアイコンにiTunesのアイコンが付与され、アプリケーションウインドウのデザインがオーディオ機器を模したものに変更されます。