2018/10/12

進化するDAC - RME ADI-2 Pro / ADI-2 DAC をWindows Wasapi排他モードで使用する


ADI-2 DAC

ADI-2 Pro / ADI-2 DACのクラス・コンプライアントの互換性を拡張

先日はADI-2 Proに新しく追加された「DACモード」を紹介しましたが、今回はWindowsユーザーの皆様へ朗報です。ファームウェア・アップデートによりADI-2 Pro / ADI-2 DACのWindows 10クラス・コンプライアント環境での互換性が拡張され、ASIO/WDMドライバーをインストールしない状態でも、クラス・コンプライアントで2チャンネル再生が行えるようになりました。  
クラス・コンプライアント環境ではWasapi排他モード*にも対応するため、ASIO同様にADI-2 Pro / DACのサンプル・レートを再生ファイルのサンプル・レートに追従させることができます。
実際にWasapi排他モード対応の再生ソフト「Foobar2000」と「JRiver Media Center」で試してみました。

  • *ASIOとWASAPI排他モードについて(クリックしてください):

    • ・ASIO(Audio Stream Input/Output)はドイツのSteinberg Media Technnologies GmbHより提唱された規格です。ハードウェアに直接アクセスし、高音質、低レイテンシー、安定性を提供するASIOは20年以上の歴史があり、ミュージシャン、エンジニア、またオーディオ・リスナーの間で広く普及しています。

    • ・WASAPI(Windows Audio Session API)はWindows Vista以降Windowsに標準搭載された規格です。WASAPI共有モード(Shared)とWASAPI排他(Exclusive)モードがあり、共有モードはオーディオをWindowsのオーディオ・ミキサーを介してレンダリングする一方、排他モードは1つの再生ソフトがDACを排他的に使用し、Windowsのオーディオ・ミキサーを介さずにオーディオ・デバイスにレンダリングするため、共有モードに比べて高音質が期待できるモードです。

1.  ADI-2 Pro / DACをクラス・コンプライアント環境で使用する 

(実際に操作する前に、必ず下に記載されている注意事項をご確認ください)
本体をWindowsのクラス・コンプライアント環境で動作させるには、先ず最新のファームウェアに更新します。その後に、コンピューターにインストールされているRMEドライバーを完全に削除してから、コンピューターを再起動します。
再起動後にADI-2 Proを再接続すると、コントロール・パネルのスピーカーのプロパティーに対応する全てのサンプル・レート(下の画面:48 kHz〜384 kHz*)が表示されるようになり、これでクラス・コンプライアント環境で使用できていることを確認できます。
*クラス・コンプライアント環境ではPCMは最大384 kHzまで対応します。
ご注意:排他モードで使用する際には、サンプル・レートの下にある排他モードのチェック・ボックスが
両方ともチェックされていることをご確認ください。


参考までに、RMEドライバーがインストールされている場合はサウンド・プロパティーには1つのサンプル・レートのみが表示されます(例では44100 Hz):

2. 再生ソフトを設定する

foobar2000 / JRiver Media Center等のWasapi排他モード対応ソフトで出力デバイスの設定をします。  

foobar2000 

Preferecesの[Output]の項目で「DSD:WASAPI(push):スピーカー(ADI-2 Pro(xxxxシリアル番号xxx))」を選択し、[Output format]を[32-bit]にします*。

*事前にfoobar2000にWASAPI output supportプラグインとDSD再生用のSuper Audio CD Decoderプラグインをそれぞれインストールしています。 
https://www.foobar2000.org/components/view/foo_out_wasapi 
https://sourceforge.net/projects/sacddecoder/files/foo_input_sacd/ 


JRiver Media Center

OptionのAudio Device画面で「スピーカー(ADI-2 Pro(xxxシリアル番号xxx))」[WASAPI]を選択します。

3. ファイルを再生して本体のサンプル・レートを確認

ファイルを再生すると、画面右下に本体のサンプル・レートが表示されます。音源のサンプル・レートに従ってADI-2 Pro / DACのサンプル・レートが追従することを確認してください。
 192 kHzファイル再生(右下に192.0と表示)
 

 DSD256ファイル再生(705.6と表示)
DSD音源では、レベル・メーターが青色に変わり、
DSD128は352.8 kHz、DSD256は705.6 kHzで追従して再生します。

  • *ADI-2 Pro / DACをクラス・コンプライアントで使用する際の注意事項
    (クリックしてください):

    • ・ADI-2 Pro / DACをWindows 10のクラス・コンプライアント環境で使用するには、コンピューターからRMEのWindowsドライバーを完全に削除する必要があります。 

    • ・コンピューターにRMEドライバーがインストールされている場合もWASAPIには対応しますが、本体がサンプル・レートが追従するWASAPI排他モードは利用できません。その場合はASIOのみが追従します。 

    • ・最新のWindows 10のクラス・コンプライアント環境でPCM最大384 kHz、DSD最大DSD256までの2チャンネル録音 / 2チャンネル再生に対応します(ASIO環境では768 kHzに対応、クラス・コンプライアントではWindowsの制限で384 kHzまで対応)。 

    • ・ネイティブにUSB AUDIO CLASS2.0(UAC2)に対応している最新のWindows 10環境でご利用ください。 

    • ・現時点ではクラス・コンプライアント環境ではADI-2 Proのマルチチャンネル・モードには対応しません。 

    • ・ADI-2 Pro / DACの次の機能を使用するにはRMEドライバーがインストールされている必要があります(ASIO環境での使用【768 kHzに対応】、ファームウェアの更新 、Digicheckの使用、ADI-2 Proをマルチチャンネル・モードで使用)。

※ ADI-2 Pro / ADI-2 DACの操作や設定方法について以下のページに掲載しています。

※「開発者マティアス・カーステンズに訊くADI-2 DAC」インタビュー


2 件のコメント :

  1. Foobar2000でDSDを再生しても、44.1としか表示されません。
    FLACなどは、768と表示されます。

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    1. Foobar2000の設定で、Tools-SACDで出力をDSDにしたらDSDのレートで表示される様になりました。

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