10月2日(日)に神戸文化ホール(大ホール)にて行われた「神戸JAZZ 2011」に参加させて頂きました。今日はその模様をレポートします。
神戸JAZZは非常にユニークなイベントです。イベントの第一部は地元神戸をはじめとする中学生〜大学生のビックバンドが出演。第二部は「KOBE JAZZ Special BIG BAND feat.東原力哉/清水興」によるプロのビックバンドが出演する二部構成。そしてもう1つのユニークな点は、プロのスタッフに混じって音楽業界を目指す中学生〜大学生(専門学校生)、市民ボランティアの皆さんが制作スタッフとしてイベントに参加している事です。彼らはプロのスタッフと恊働で、半年もの準備期間を経て本イベントに臨みます。
「JAZZ発祥の地」と言われる神戸だけあって、まさに市民一丸となって創り上げている素敵なイベントです。
我々は「録音」チームとして本イベントに参加させて頂きました。当日はエンジニアの行方洋一氏がレコーディングと中継用のミックスを担当される事になっており、今年も行方氏よりレコーディング機材としてRMEをご指名頂きました。
・10月1日(土)仕込み/リハーサル
前日は朝から仕込みとリハーサルが行われました。今回、行方氏が使用したレコーディング/中継用ミックスシステムは、MADIを活用したシンプルなシステムです。MADIは古くから知られた存在ですが、RMEがMADI実用化に向けた革新的な技術の開発に成功し、信頼性の高いMADI製品を多数リリースしました。結果、多方面でRMEのMADIソリューションの導入が進み、現在RMEはMADIソリューションのトップ・リーダーになりました。
さて、以下が今回のシステム図です。
MADIは75Ωの同軸ケーブル、あるいはオプティカル(光)ケーブル1本で64ch(48kHz時)ものオーディオ・データの長距離(同軸=100メートル、オプティカル=2,000メートル)伝送が可能であり、現場で大量のケーブルを敷く必要がなく、同時にクロックの供給も可能で信頼性も抜群です。しかもオプティカル・ケーブルの使用時には外来ノイズの影響を受けない優れた特徴があります。RMEの優れた特徴の1つでもあるSteady ClockもMADIから生まれた技術です。
さて、レコーディングと中継はPA卓からMADIで送られた信号を分岐させ、複数のデバイスを用いて行いました。以下、機材の解説です。
さて、レコーディングと中継はPA卓からMADIで送られた信号を分岐させ、複数のデバイスを用いて行いました。以下、機材の解説です。
1:MADIface & Global Recordでマルチch・レコーディング
2:HDSPe MADI & Nuendo 5で中継用のステレオ・ミックスを作成/マルチch・レコーディング
3:Fireface UFXのDURecでステレオ・ミックスをレコーディング
当日のPA卓はDiGiCoのSD8が使用されました。DiGiCoは高度なデジタル技術を搭載した高品位なデジタル・コンソールを多数リリースしているメーカーで、ご存知の方も大勢いらっしゃるでしょう。SD8から48chのMADI信号を同軸ケーブルにてレコーディング・ルームに設置したMicstacyへ。Micstacyはアンビエンス用のマイクが2本接続され、トータルで50chになったMADI信号を分岐させてレコーディング/中継用として使用しました。従来はch数分だけのケーブル、あるいは太くて取り回し難いマルチ・ケーブルを使う必要がありましたが、MADIならたった1本です。低コスト、容易なメンテナンス、高い柔軟性で現場の負担も少なく、効率良く作業が行えます。
メインのレコーディングは「1」のGlobal Recordで行い、「2」のNuendo 5はバックアップとして持参しましたが、Nuendo 5のモニター・ミックス機能が大変便利で、行方氏の発案で中継用や会場用のモニター・ミックス卓としてNuendo 5を使用しました。
Global Recordを回したPanasonic TOUGHBOOK(モデル:CF-19FW1AAS)は湾岸戦争で使用された「まさにタフ」なラップトップPCです。耐振、防水、耐衝撃設計が施されており、ライブ・レコーディングの現場には最適な仕様です。搭載CPUはCore 2 Duo U7500 (1.06GHz)とレコーディング用途には非力な感もありますが、50ch / 24bit / 48kHzもの膨大なデータを、4時間以上もレコーディングしましたがバッファー・エラーがゼロ(波形の損失一切無し!)と素晴らしい仕事をしてくれました。
また、Global Recordは「CPUに負荷を掛けずに安定した信頼性の高い録音」を実現するために開発されたユーティリティであり、今回のケースがまさにそれを証明しています。しかもGlobal Recordは、RME DIGICheckに含まれているレコーディング・ユーティリティの1つなので、RME製品をお持ちの方なら無償でご利用頂けます。
当日のPA卓はDiGiCoのSD8が使用されました。DiGiCoは高度なデジタル技術を搭載した高品位なデジタル・コンソールを多数リリースしているメーカーで、ご存知の方も大勢いらっしゃるでしょう。SD8から48chのMADI信号を同軸ケーブルにてレコーディング・ルームに設置したMicstacyへ。Micstacyはアンビエンス用のマイクが2本接続され、トータルで50chになったMADI信号を分岐させてレコーディング/中継用として使用しました。従来はch数分だけのケーブル、あるいは太くて取り回し難いマルチ・ケーブルを使う必要がありましたが、MADIならたった1本です。低コスト、容易なメンテナンス、高い柔軟性で現場の負担も少なく、効率良く作業が行えます。
メインのレコーディングは「1」のGlobal Recordで行い、「2」のNuendo 5はバックアップとして持参しましたが、Nuendo 5のモニター・ミックス機能が大変便利で、行方氏の発案で中継用や会場用のモニター・ミックス卓としてNuendo 5を使用しました。
Global Recordを回したPanasonic TOUGHBOOK(モデル:CF-19FW1AAS)は湾岸戦争で使用された「まさにタフ」なラップトップPCです。耐振、防水、耐衝撃設計が施されており、ライブ・レコーディングの現場には最適な仕様です。搭載CPUはCore 2 Duo U7500 (1.06GHz)とレコーディング用途には非力な感もありますが、50ch / 24bit / 48kHzもの膨大なデータを、4時間以上もレコーディングしましたがバッファー・エラーがゼロ(波形の損失一切無し!)と素晴らしい仕事をしてくれました。
また、Global Recordは「CPUに負荷を掛けずに安定した信頼性の高い録音」を実現するために開発されたユーティリティであり、今回のケースがまさにそれを証明しています。しかもGlobal Recordは、RME DIGICheckに含まれているレコーディング・ユーティリティの1つなので、RME製品をお持ちの方なら無償でご利用頂けます。
いよいよリハーサルが開始され、我々もテスト録音を開始します。今年からはUstreamの中継も加わった事で、Nuendo 5のモニター・ミックスを使って行方氏はリアルタイムにミキシングを行います。氏は膨大なチャンネル数が立ち上がったNuendoに向かって、レベルやパンニング、楽器によってはEQやFXをインサートし、その場で瞬時に音を調整していきます。リハーサル開始後、わずかな時間でヘッドホンから聴こえるミックスが大変素晴らしい音に仕上がっており、スタッフとして参加していた音響を学ぶ学生さん達は大興奮。
突然、行方氏が「(ミックスを)やってみるか!?」と、学生さんに席を譲ります。行方氏が学生さんの隣に着き、ミックスのノウハウを直に伝授する贅沢な個人レッスンの開始です。行方氏のアドバイスを聴きながら、自分で行ったミックスの録音データをプレゼントされた学生さんは大興奮。何度も録音データの入ったディスクを大事そうに眺めていた姿がとても印象的でした。素晴らしい想い出になったでしょうね。
遅くまで続いたリハーサルも終わり、いよいよ明日は本番です。
・10月2日(日)神戸JAZZ 2011 本番
いよいよ神戸JAZZ 2011 本番の日を迎えました。朝から会場はスタッフTシャツを来た学生さん達が慌ただしく舞台上を行き来しています。そして、本番前の最後のリハーサルが始まりました。
舞台設営中の学生さん達 |
録音/中継ルームにも大勢の学生さん達がやって来て、交代交代で持ち場に着きます。手が空いた人はルームに設置されたヘッドホン・ディストリビューターを通じて、行方氏のミックスを聴いて勉強します。行方氏の手元やモニター画面を凝視する人、メモを取りながら聴く人、瞼を閉じて聴き入る人、皆様々です。
録音/中継ルーム |
PM 2:30 神戸JAZZ 2011の本番が開始されました。暗闇の中で黙々とミックスを続ける行方氏。第一部は13もの学生バンドが出演。バンド毎に楽器編成も異なるため、氏はリハーサル時のメモを片手に次々とバンドにあわせたミックスを行い、時折学生さんに向かってノウハウの伝授と大忙しです。
本番中の行方氏 |
PM 7:00 大いに盛り上がったプロバンドの演奏が終わり、神戸JAZZ 2011が終了。
Global Recordで録音された50chのデータは、行方氏のスタジオに運び込まれて、最終的にNuendo 5にてミックス・ダウンが行われます。ミックス・ダウンされた音源はFM COCOLOの番組「World Jazz Warehouse」にて後日放送されるそうなので、関西にお住まいの方はチェックしてみて下さいませ。
Global Recordで録音された50chのデータは、行方氏のスタジオに運び込まれて、最終的にNuendo 5にてミックス・ダウンが行われます。ミックス・ダウンされた音源はFM COCOLOの番組「World Jazz Warehouse」にて後日放送されるそうなので、関西にお住まいの方はチェックしてみて下さいませ。
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